あふたー屋氏による【買ってよかったプラグインランキング】

Inter BEE 2024でのあふたー屋さんによるプレゼンテーション【買って良かったおすすめプラグイン紹介】がインタービュー記事になりました。

2020年前後、突如Twitter (現X)に現れ精力的に自主制作ビデオの公開を続けるあふたー屋さん。

たぶんこのビデオ、「いつものアレ」をベースに制作をしているのかなと想像できそうな面もありますが、どういった経緯で「いつものアレ」を使い始めたのか、どんな場面で使うのか、どんな思い入れがあるのかお話を伺いました。また、「いつものアレ」以外のおすすめプラグインのお話も伺ってみました。

あふたー屋氏について

あふたー屋

日本のどこかでAfterEffects使って遊んでます

映像関連の仕事の御依頼、御相談、御質問など有りましたらお気軽にDMください_(:3 」∠)_ 【YouTubeやってます】 Twitterに上げた動画の解説をしてます。最近は解説サボってすみません↓のリンク or「あふたー屋」で検索ッ!!

X: @afuta_ya
YouTube: afterya
SYNCHROTRON 株式会社

第五位 Trapcode Sound Keys

―― 導入のきっかけを教えてください。

あふたー屋氏(以下、敬称略):最初はParticularやForm、Mir等を目当てにTrapcodeを導入し、Soundkeysはオマケのような存在でした。しかし今では私の仕事での使用頻度で言えば、前者のパーティクル系エフェクトよりSoundkeysの方が高いです。

―― どんな場面で活用していますか?

あふたー屋:音に合わせた編集案件(音楽ライブの背景、スポーツPV等、ティザー広告)の演出によく利用しています。生成したキーフレームはトランスフォームの各パラメータ、Plexus 3 やGlitchエフェクトと繋げて利用します。私はあまり音楽に精通していないのですが、そんな私でもSoundkeysを利用すればビートに合わせたアニメーションが簡単に作れています。

Trapcode Sound Keys 製品詳細

Trapcode Sound Keysを使って、After Effectsで即座にオーディオに連動したモーショングラフィックスを実現します。モーショングラフィックス用にオーディオを視覚化したり、あらゆるオーディオを使ってアニメーションやエフェクトを動かすことができます。Sound Keysでは、周波数を分けてして完全にコントロールできます。

※Trapcode Sound Keysの単品販売は終了しました。Trapcode Sound Keysをご利用の場合は Red Giant CompleteまたはMaxon Oneの購入をご検討ください。

Trapcode Sound Keys 製品詳細

第四位 Deep Glow 2

―― 導入のきっかけを教えてください。

あふたー屋:実はDeep Glowを導入したのは結構最近で、今年の春のセール時に購入しました。今まで20年以上、標準グローで頑張ってきたのですが、あまりにも皆持っているので、私も使って見たくなりました。

―― Deep Glow導入後、ワークフローに変化はありましたか?

あふたー屋:標準グローに比べて圧倒的に綺麗なグローだという事は言うまでもないのですが、標準グローで頑張って作っていた表現(色収差や、方向性ブラーのようなグロー)がDeepGlowでは当たり前のように出来るので他の事に時間が割けるようになりました。

まだ私は触れてないのですが、Deep Glow 2がリリースされて多数の新機能が追加されています。春のセールで購入したばかりですが、今回の秋のセールでDeep Glow 2*も購入したいと思っています。

*Deep Glow 2は2024年11月18日にリリースされました。

Deep Glow 2 製品詳細

Deep Glow 2は高速処理を実現するGPU対応のAfter Effects専用グロープラグインです。After Effects の標準グローと比べ、Deep Glow はアーティスティックな適用結果をもたらします。通常のグロー効果に加えてグローのガンマ補正やアスペクト比調整、色収差コントロール、クオリティコントロールなど高度な調整を実現します。GPUによる高速化も実現しておりストレスなく利用できるプラグインです。

V2のリリースではアイリスモードが搭載され、イメージベースのグローを実現しました。また、トーンマッピングやレンズの汚れ、クオリティプリセットなど、バージョンアップで様々な新機能を搭載しました。

Deep Glow 2 製品詳細

第三位 ReelSmart Motion Blur v6

―― 導入のきっかけを教えてください。

あふたー屋:某イベント登壇する際にフラッシュバックジャパンから支給されたのがきっかけで使い始めました。

―― 後付けでモーションブラーが適用できるため、実写から3DCGまで幅広く利用できるプラグインでフラッシュバックジャパンで人気のプラグインです。あふたー屋さんはどんな場面で利用していますか?

あふたー屋:自主制作/仕事問わず、実写をロトブラシで抜いた素材だったり、Element3Dで作った素材、3DCGでレンダリングされた素材に対して後付けでモーションブラーを付ける際に使用しています。実写素材等は切りっぱなしよりRSMBを使って後処理をしてあげた方が合成の馴染みが良くなりますし(勿論モノによりますが)抜きの甘さを誤魔化す事が出来ます。

―― After Effects標準のモーションブラーやElement 3Dにもモーションブラーはありますが、ReelSmart Motion Blurを利用する利点を教えてください。

あふたー屋:まずAeの標準モーションブラーはそもそもポジション、ローテーションやスケールなどトランスフォームで変化が無いと対応してくれません。なので3DCGでレンダリングされた素材に対しては意味をなしません。

そして標準機能でRSMBと似た機能の『ピクセルモーションブラー』がありますが、実際に試してみると解るのですが、動きが早いモーションや、背景と被写体の境界線がハッキリしない素材などに使用した場合、表現が難しいのですが『ぐにゃあ~』っと画が溶けてしまう場合があります。その点RSMBはフレーム毎トラッキングし解析しているので、綺麗な後付けブラーを生成してくれますし、3DCGで生成したモーションベクターのデータから、より精度の高いモーションブラーをつけることができるので、非常に助かっています。

またElement 3Dや3DCGでブラーを付けてレンダリングするのは処理が重くなるので、3Dではブラーを掛けずに後からブラーを掛けることにより作業のスピードも上がると思います。

ReelSmart Motion Blur v6 製品詳細

ReelSmart Motion Blur (RSMB) は、撮影済みの実写映像や、3DCGアニメーションの動きのある部分に、自然なモーションブラーを後付けする映像アプリケーション用のプラグインです。

RSMB のアルゴリズムは、シーケンスの連続した2フレーム (最初のフレームから次のフレーム) の動きをピクセル単位のトラッキングによって解析し、その動きの計算をもとにブラーを適用します。このフレーム間のオブジェクトのモーションを自動的に検出する Proprietary Tracking Technology (プロプライエタリ トラッキング テクノロジー) によって、マスク等の処理がない映像素材でも、動画全体の中から動きがある部分だけにブラー効果を掛けることが可能になります。

ReelSmart Motion Blur v6 製品詳細

第二位 Optical Flares Plug-in

―― 両替町のアンドリュークレイマーことあふたー屋さん、発信している作品ではElement 3Dと並んでOptical Flaresをよく拝見しています。導入のきっかけを教えてください。

あふたー屋:自宅で作業をしたいと思いまして4~5年前に初めてAe用のPCを買いまして、会社ではずっとOptical Flaresは使っていたこともあり『Optical Flaresが無いと何も始まらない』と思い、PCと同時にOptical Flaresを導入しました。

―― どんな場面で利用しますか?

あふたー屋:自主制作でも仕事でも「使わない場面無いんじゃないか」というくらい利用しています。

何気ない実写素材の太陽の光源にOptical Flaresを合わせて、より太陽光を強調したり、テロップの装飾として光のラインをテロップ下部に走らせてテロップを引き立てたり、黒背景にOptical Flaresと煙素材を足すだけで、それっぽい背景が出来るのでとても重宝しています。

―― お気に入りの利用方法があれば教えてください。

あふたー屋:レンズフレアとして利用するのではなく、Optical Flaresのフレア部分は消しておき、大きい光源のみ(カメラのレンズ汚れに見えるフレアもあるので、そういったフレアは表示)にして、その光源も画面外にしておき、光源の周りの『光の色』のみを利用して空気感の演出やカラーコレクションとして使用したりするこも出来ます。

あとはキーフレームを打ってライトリーク的な使い方や場面転換のトランジションとして利用します。

―― ちなみにどのくらいの頻度でOptical Flaresを利用していますか?

あふたー屋:全プラグインの中で最も使用頻度が高いです。『居酒屋入ったら、取り合えずビール』くらいの感覚で使っています。
※実質買って良かったランキング1位なんですが個人的なアイデンティティーの問題によりOptical Flaresは2位です。

Optical Flares Plug-in 製品詳細

Optical Flares は、After Effects 上でリアルなレンズフレアを作成し、アニメーションさせることが出来るプラグインです。独自のインターフェースを装備し、直感的な操作で思い通りに、非常にリアルなレンズフレアを作成することができます。

After Effects の 3Dライトと連動させて、レンズフレアを 3D空間で自由にアニメートできます。また、Dynamic Triggering 機能を使用して、キーフレームを使用せずに、レンズフレアのアニメートや、光の強弱、色の変化等がコントロール可能です。

Optical Flares Plug-in 製品詳細

第一位 Element 3D V2

―― 期待を裏切らず「いつものアレ」が一位でした笑、導入のきっかけを教えてください。

あふたー屋:某映像コンテストに入賞した際にフラッシュバックジャパン賞として入手しました。

―― あふたー屋さんと言えばElement 3Dみたいな印象ですが、使用歴はどのくらいですか?

あふた:V2の使用歴2021年のお正月からなのでもうすぐ4年になります。V1も使ったことがあるのですが、V1は何か苦手で2021年まで空白の時期があります。

―― V2のリリースでかなり期待されていた機能が追加されましたが、V2の初見の印象ってどうでした?

あふたー屋:「とうとうシャドウが付いた!」というのが最初に思ったことでした、V1ではシャドウ付けれずに黒平面で疑似シャドウを地面に置いていたので(笑)

お話をV2に戻しまして、ルックもスゴク綺麗になった印象を持ちました。お正月休みにV2をインストールし、触り始めたのですが一緒に頂いた『Motion Design Pack 2』がとにかくカッコ良くて、男の子だったら絶対にワクワクするオブジェクトが多数入ってまして、Motion Design Pack 2 に入っているオブジェクトを組み合わせて宇宙船とか作ってずっと遊んでました。宇宙船作るのにも飽きたころに『Element 3Dを多重掛けしてグループ数を無限に増やす』やり方を知って、そこからはMotion Design Pack 2のオブジェクトを使用してロボットを作るようになりました。どれだけ動かせるロボットが出来るか毎晩、試作に試作を重ねていました。最終的には完全変形するトランスフォーマーが出来たのを覚えています。

―― Element 3D V2はリリースから10年のプラグインですが、使い方次第で表現の幅がとびきり広いプラグインだと思っています。いつもどんなことに着想を得て作品作りをしていますか?

あふたー屋:Element 3Dには残念ながらセルルックで描画するようなレンダー設定はないのですが、ゴリゴリのリッチ3Dじゃなく、セルルックをElement 3Dでやってみたいと思ったんですね。

Element 3Dは、シャドウや反射など特定のモノだけを描画させる事が出来るので、そういった素材ごとに描画させたレイヤーを何層も重ねて、各レイヤー毎にポスタリゼーションやトゥーンシェーダーだとかその他諸々を組み合わせてセルルック風味に見せること出来ます。

前述したように着想を得てというより「作ってみたい」とか「やってみたい」とか「このアニメ、漫画好き」という動機のみで作品作りをしていると思います。個人的には出来るかどうかは解らないけど、取り合えず手と頭を動かしてやってみることが大事かなと思っています。

例えその時は出来なくても、そこで得た知識、技術は他の所で必ず役に立ってくれます。単純な押し出し機能ですが、押し出し機能を使って3Dドットアニメーションも作りました。

これはElement 3Dのグループ毎に表示、非表示の機能を使ってやるのですが、やってみようという思いが無いとこういった使い方も思いつかなかったと思います。作品作りは仕事だけでは得られない知識、技術が手に入るので、皆さんも騙されたと思ってお好きなプラグイン、エフェクトを使って、是非作品つくりしてみてください。ちなみにランキングのVTRは今回紹介した Element 3D V2やOptical Flaresをはじめ、5つのプラグインを使って制作しています。

人の作品を見るのが好きなので皆さんの作品を拝見できるのを楽しみにしています。

―― あふたー屋さん、今回は貴重なお話をありがとうございました。来年のInter BEEこそはバージョンアップした「いつものアレ」のデモをお願いしたいです。

Element 3D V2 製品詳細

3DCGソフトかと見間違う超リアルな3DCGイメージの生成とアニメーションを After Effects で作成する!そんな理想を実現させたのが、この Video Copilot 社の After Effects プラグイン、Element 3D です。

3Dオブジェクトは、シークエンスを含む OBJ と Cinema 4D ファイルの3Dモデルから作成可能。V2より、マテリアル属性を保持する MTL 付属の OBJ と C4D ファイルのテクスチャを含む自動インポートに対応しました。もちろん Illustrator などで作成したパスのシェイプや、日本語を含む After Effects のテキストレイヤーなども簡単に押し出し、3D化できます。またそれらの3Dオブジェクトを無数に複製し自在に動かす3Dパーティクルの作成も行えます。

Element 3D V2 製品詳細

あふたー屋さんおすすめプラグイン

  1. Trapcode Sound Keys

    音の波形からキーフレームを生成してサウンドアニメーションを実現するプラグイン

    • After Effects platform アイコン
  2. Bundle

    Red Giant Complete

    Red Giant社全製品をお得に利用できる1年間のサブスクリプションライセンス

    • After Effects platform アイコン
    • Premiere Pro platform アイコン
  3. Deep Glow 2

    GPUアクセラレーションに対応し高速処理を実現するAfter Effects専用のグロープラグイン

    • After Effects platform アイコン
  4. ReelSmart Motion Blur v6

    実写映像や3DCGの動きを自動検出しモーションブラーを後付け!ピクセル単位のトラッキングによる高速モーションブラープラグイン

    • After Effects platform アイコン
    • Premiere Pro platform アイコン
  5. Optical Flares Plug-in

    光学レンズをシミュレートする “レンズフレア作成プラグイン”

    • After Effects platform アイコン
  6. Element 3D V2

    超リアルな3DCGアニメーションを高速描画するAfter Effectsプラグイン

    • After Effects platform アイコン
  7. Motion Design Pack 2

    モーションデザインに特化したElement 3D V2対応の3Dモデル集

    • After Effects platform アイコン