実践と背景知識から学ぶデザイナーのためのCINEMA 4D 読本 vol.1
最終出力である絵作りの手法とその背景知識を知る、ライティングやマテリアル、レンダリングに特化したCINEMA 4D書籍
最終出力である絵作りの手法とその背景知識を知る、ライティングやマテリアル、レンダリングに特化したCINEMA 4D書籍
例えばマテリアルであれば作り方やオブジェクトへの適用の仕方は調べればすぐ出てきます。しかしながら質感をつけるための知識や考え方は調べても中々出てきません。こうした知識や考え方は情報としてはあるのですが、体系的にまとまっているわけではなくそれぞれが分散していて、さらに解説しているソフトウェアごとに違いもあったりするため、CINEMA 4D 単体でだけで学びやすいとは言えないのが難しい理由だと思います。
今作のライティング、マテリアル、レンダリングはツールの操作以上に考え方や分野ごとの背景知識が要求される分野でもあります。そのため、これら必要とされる照明や光や物理の背景知識を重点的説を行いました。とくにマテリアルやレンダリングといった部分は技術的な要素も強く、執筆のためいくつかの論文を調べてるうちに非常に高度な話が出てきたりと一人のデザイナーが知るにはあまりに大ぎるものがありました。
調べても調べても次から次へとわからないこと、不透明だったり謎なことばかりでそんな感覚に何度も囚われました。なんとなくでやっている部分を言語化し、説明すると同時に実作業でそれらを活かはどうしたらいいのか。そんなことを考えながら絵作りに必要なこと、実作業に必要なことは踏み込めるところまで書いたつもりです。
この本では全編通してCINEMA 4D での作業を行なうチュートリアルが入っています。これは初心者がどのように操作するかを掴んでいただくためのもので、全て基礎的な内容ばかりです。しかしながらも根っこの部分を考えるために必要なもの、考えて作業するために必要な内容が非常に多く入っています。初心者であればぜひ読みながら手を動かして進めてみてください。作業するために必要な慣れの力え方両方が身につくはずです。
現実の世界で質感は固定されています。このため照明を用いて光をコントロールしたり、カメラの調整を調整したりして写真を撮ります。CG の世界では、このライト・質感・カメラの3要素を自由に調整することが可能です。このためシーンが思ったイメージにならなかった時、ライトが強いのか、マテリアルが明るいのか、カメラの設定が悪いのかといった判断が初心者にとって躓きがちなポイントです。ここでは実際にCINEMA 4Dで操作を行いながらライトの仕組みから入り、ライティングのメジャーな手法やそれをCG で扱う際の考え方を解説します。
マテリアルとはオブジェクトの質感を決める要素です。質感とは光が当たったときのオブジェクトから反射される光の量と屈折する光の量、そしてその割合の変化の違いでしかありません。まずは現実の光の反射、屈折の仕組みを押さえます。次にそれをどのように捉えてCG ソフト上で再現しているかについて見ていきます。またCG ソフト上で描画するとは光の挙動を数式化するということです。現実世界の仕組みをどのように解釈し、C4D では各機能が実装されています。開発者にしかわからないような細かいことも出てくるため、C4D 以外のソフトウェアのマテリアルやレンダラを考慮した上で筆者なりの解説を行いました。
この章ではレンダリングの品質に関する設定について解説します。レンダリングでファイルを書き出し、コンポジット(合成)をどのように行っていくのか、どのようなファイルを書き出すことができるのか、実作業を元に解説していきます。またレンダリングではファイルを取り扱うため、相対パスや絶対パスといったファイル管理に関する項目もこちらで扱います。
【目次】
1. ライティング
2. マテリアル・シェーダ
3. レンダリング
発行:がれきのとう
頁数:160ページ
寸法:A4サイズ
Web:http://kinoenon.tumblr.com/
Mail:kinoenon@gmail.com
Twitter:@KINO_REALA
印刷:株式会社グラフィック
発売日:2017年8月11日