Creators’ Picks|河原秀樹氏が選ぶプラグイン&スクリプト10選[初心者篇]
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After Effectsを利用した制作環境ではサードパーティー製ツールに頼る頻度が高く、映像制作のデファクトスタンダードともいえるプラグイン・スクリプトが数多く存在します。
今回は、フラッシュバックジャパンのチュートリアルやInter BEEでの登壇でおなじみのSYNCHROTRON株式会社・河原秀樹さんに、初心者におすすめのプラグイン&スクリプト10選を伺いました。
――河原さん、こんにちは。今回は「初心者におすすめなプラグイン&スクリプト10選」を伺います。よろしくお願いします。
河原氏(以下、敬称略):10個ということだったけど、好きなツールやおすすめしたいツールがありすぎて、初心者向けを10個、中級者向けを10個に加え、さらによく使うツール80個で、合計100個をピックアップしてしまいました。今回は初心者、次回以降に中級者向けと80個のツール紹介をやりましょう。
――ありがとうございます。
あと、今回は初心者向けなので、固定費による経済的負担を考えて、サブスクリプションのプラグイン・スクリプトは除外しています。次回の中級者向けでは表現の幅を広げることが目的になるので、サブスクリプションツールも紹介します。なお、今回の10選は順不同です。
――それでは「初心者におすすめなプラグイン&スクリプト10選」、よろしくお願いします。
始めましょー。
FilmConvert with Nitrate
FilmConvert with Nitrate
―― 少し意外なプラグインがきました。カラー系ツールだとMagic Bullet Looksが定番なんだけど、どういう経緯でFilmConvertを使い始めたの?
もともとはMagic Bullet Looksを使っていたんだけど、佐藤隆之さんがFilmConvertを使ってるって言っていて FilmConvertを使い始めたよ。
―― 両方使ったからわかる、Magic Bullet LooksとFilmConvert 、それぞれの特徴を教えてください。
Magic Bullet Looks は自由度が高くて何でもできるツール、FilmconvertはMagic Bullet Looks よりも自由度は低いんだけど、フィルムルックに特化していて、グレインが丁寧に出てる。エモい映像に向いている印象。
―― FilmConvertはカメラパックが豊富なんだけど使ってる?
もちろん。必要に応じてカメラパックが使える点が魅力的。
―― 買い切りのカラープラグインで、フィルムストックとグレインが豊富にあるツールだと唯一無二かも。
時々セールになってる気もするので、ぜひ!おすすめです。
FilmConvert with Nitrate 製品詳細
FilmConvert with Nitrate は、デジタルビデオをフィルムルックにコンバートするカラーコレクションプラグインです。
対応ホストアプリケーションは、Adobe(After Effects & Premiere Pro) と OFX (DaVinci Resolve)。DJIやRED、SONYなど、開発元から提供されるCamera Packをダウンロードしてインストールすることで、エフェクトコントロールのCamera Settingsから撮影したカメラモデルを選択してカメラに合わせたカラーグレーディングが可能になります。また、グレインの調整やフィルムストックオプション、カラーホイール、カーブ、レベルなどのカラーコレクションツールを駆使してデジタルビデオをフィルムの質感に仕上げることができます。
Composite Brush
Composite Brush
―― ふたつ目もある意外なプラグイン。
Composite Brushは個人的にいちばん推したいプラグイン、使う人が少なくて人気ないけど。
―― どんなときに使うの?
アニメから実写まで割と何でも使ってるよ。アニメの色を抜くときはセルのカラー単体をピックアップして抜くのに使ったり、最終調整でハイライトや影を調整したい場合は、Composite Brushでキーイングしてる。
―― 操作感ってどうなの?
Photoshop感覚で使えるのが非常に良い。
―― へぇー。そんならSYNCHROTRONではみなさんで使ってる感じ?
いや、社内ではあまり使われていないんだけれど僕が好きで多用してる。外部の会社と仕事するときは、ライセンスを支給して使ってもらったり。
―― ちなみに実際に使って制作したアニメとかって教えて貰える?
某死神アニメ最終章のEDで使ったり…。
―― Inter BEEで解説しませんか?
笑
Composite Brush 製品詳細
Composite BrushはAfter Effects対応の正確かつ簡単なカラーセレクター&モディファイヤーです。
Composite Brushはその他のカラー補正プラグインやキーイングプラグインとは異なり、適用されているエフェクトを無視して適用したレイヤーのソースを参照します。これにより、カラーエフェクトやキーイングエフェクトが適用されていても、常に元のショットを参照するため常に同じキーの維持が可能になるメリットがあります。しかし、レイヤーサイズや変形による影響は問題を引き起こします。この場合、Composite Brushを利用後に変形やブラーを適用するか、Composite Brushを適用したレイヤーをプリコンポーズしてエフェクトを適用することで問題を回避することができます。
Neat Video v6 Pro
――定番のノイズ除去プラグイン、どんなときに使うの?
日常的なノイズ除去やキーイング前の準備、3Dのレンダリングノイズ除去にも使ってる。
――案外使う場面は多いんですね。
ノイズ除去はピンポイントな要素に見えるけど、コンポジットの準備や3D素材の処理で、じつは使う場面は結構多いよ。
――すごい処理してくれるプラグインですよね。ほぼワンクリックで完結するから、Inter BEEでデモやっても1分で終わっちゃうからしんどい。
笑。
Neat Video v6 Pro 製品詳細
Neat Video v6 Pro は、映像のブロックノイズやフィルムグレイン、ダストやスクラッチなど、ディティールを保ったままノイズのみを除去するノイズリダクションプラグインです。
ホストアプリケーションに付属する標準プラグインなどでもノイズ除去は可能ですが、ノイズの除去量を上げると全体がぼやけてディティールが失われる傾向があります。最先端のノイズリダクションアルゴリズムを搭載するNeat Video v6 Proを使うことで、映像のディティールを保持したままノイズだけの除去を実現します。最新バージョンに搭載されたフリッカーとジッタ軽減ツールを活用することで高精度のノイズ除去を実現します。また、v6はv5と比較してメモリ使用量を最大2倍削減し、レンダリングジョブを最大2倍高速化しました。
Motion Tools Pro
――ここでユーティリティツール集がきました。
純粋に便利なツール。
――ツールやウィジェット、エクスプレッションなど盛りだくさんのユーティリティツール。
手間と時間をかければ手動でもできるけれども、ワンクリックで処理してくれる純粋に便利なツール。
――ここ最近のセールでも非常によく売れるツールです。
ユーティリティはいろいろあるけれども、今一番トレンドやねんな。初心者であれば、 ユーティリティ系ツールをひとつは持っていてほしい。
――初心者は手動で処理して覚えることが大事って言いそうなのに意外なコメントですね。
例えば複数のレイヤーを選択してワンクリックで 親ヌルを作ったり、パスのポイントにヌルを作ったりする機能があるんだけど。これを手作業でやれば1~2分、ボタンのクリックは5秒。積み重ねると大きな時間短縮になるよ。
――確かに。セールになることが多いツールなので、タイミングが合えば安く導入できるよね。
そうなんだけれども、半年後のセールを待つよりも今買って半年使い倒した方がいいと思う。1日5回使えば週25回、1回分2分短縮するとして毎週50分の短縮になる。これが半年続くと、大きな違いになるよ。
――宣伝ありがとうございました。
Motion Tools Pro 製品詳細
Motion Tools Proは日常的に利用するツールやウィジェット、エクスプレッションなどユーティリティツールを集めたAfter Effectsエクステンションです。
ワンクリックで必要なツールにアクセスできるコマンドセンター、Motion Tools Proを活用してAfter Effectsでのワークフローを改善しましょう。カスタマイズ可能なパネルやインタラクティブなウィジェット、モダンで適応性の高いインターフェイスに用意された数多くのスクリプトやエクスプレッションで、繰り返しの作業にかかる時間を節約できます。
Beauty Box Video 6.5
――定番のスキンレタッチプラグイン。
今も使うけれども、フリーの頃はより頻繁に使った。
――フリーの頃はより頻繁に利用したとは?
個人完パケが多くて、自分で演者さんの肌を整えることが多かったんよ。
――なるほど。ちなみにプラグインの使用感はどう?
一発でもきれいになるし、細かい調整もできる。本格的にレタッチやる時はポスプロに持ち込む必要があるんだけれども、Beauty Box Video を持ってるとまず自分で試せるのが良い。
――Beauty Box Videoはアプリケーションごとに異なるライセンスで提供されます(for Adobeやfor Avidなど)。Beauty Box Video 6.5 for Adobeの場合はAfter EffectsとPremiereの両方で利用することができます。複数のアプリケーションでBeauty Box Videoを利用する場合は Beauty Box Video 6.5 All Host Apps をご検討ください。
※2026年9月29日にBeauty Box Video 6.5がリリースされました。6.5では、歯と白目のホワイトニングに特化した新プラグイン「Beauty Box Whiten」が追加され、これまで手作業でのマスク作成が難しかった歯や白目もAIが自動で識別して補正します。AI処理はローカルで行われるため、映像がクラウドにアップロードされることはありません。
Beauty Box Video 6.5 製品詳細
Beauty Box Video は、クリップにフィルタを適用するだけで、人物の肌のしわや染みを自動除去し、美しい肌に修正する、 After Effects & Premiere ProやDaVinci Resolve、Media Composer、Final Cut Pro対応のスキンレタッチプラグインです。肌のトーンを自動で分析して肌の領域にマスクを作成、細かい設定の必要なく素早く簡単にレタッチが行えます。
インターフェースは日本語に対応しており、パラメーター名も日本語で表示されます。はじめてプラグインを使う方でも直感的に操作できます。
Deep Glow 2
――本当に定番ですね。
定番です。アニメのお仕事はほぼ必須、どの.aepを開いてもだいたい使われている。
――セールでは毎回売り上げトップ、Deep Glow 2は桁違いに売れているプラグインです。語り尽くされた感はあるけれども、Deep Glow 2の良いところは?
一発できれいにグローがかかること。デフォルトのパラメーターは強すぎるから調整する必要があるけど、小さくすると見栄えが悪くなるからしっかりと調整が必要。Ae標準のグローやブラーを駆使してグローを作るよりも時短、仕事でAfter Effectsを使うなら持っていて損はない。
――解説ありがとうございます。
Motion Tools Proに通じところがあるけど、After Effects標準のグローやブラーを駆使するよりも時間を短縮できます。
Deep Glow 2 製品詳細
Deep Glow 2は高速処理を実現するGPU対応のAfter Effects専用グロープラグインです。After Effects の標準グローと比べ、Deep Glow はアーティスティックな適用結果をもたらします。通常のグロー効果に加えてグローのガンマ補正やアスペクト比調整、色収差コントロール、クオリティコントロールなど高度な調整を実現します。GPUによる高速化も実現しておりストレスなく利用できるプラグインです。
V2のリリースではアイリスモードが搭載され、イメージベースのグローを実現しました。また、トーンマッピングやレンズの汚れ、クオリティプリセットなど、バージョンアップで様々な新機能を搭載しました。
Video Copilot Optical Flares Plug-in
――Optical Flares Plug-inも定番ですね。
定番です。
――改めて使う場面や用途を教えてくださいな。
マスクや画像に適用して明るい部分だけにフレアを発生させることができるから、細かいキラキラを作るのに使ってる。
――Source TypeをLuminanceにして使うやつですね。
せやで。あとはボケのパーツを分解して画面に配置したりもする。
――利用にあたってアドバイスなどあればお願いします。
Optical Flaresを適用したら、トーンカーブで明るい部分を下げてから処理をかけるときれいに色が馴染むかな。Deep Glow 2もだけど、画面を白くしたら負けだと思ってる。
――今さらながらだけれども、令和版Optical Flaresチュートリアル作りませんか?
笑。
Video Copilot Optical Flares Plug-in 製品詳細
Optical Flares は、After Effects 上でリアルなレンズフレアを作成し、アニメーションさせることが出来るプラグインです。独自のインターフェースを装備し、直感的な操作で思い通りに、非常にリアルなレンズフレアを作成することができます。
After Effects の 3Dライトと連動させて、レンズフレアを 3D空間で自由にアニメートできます。また、Dynamic Triggering 機能を使用して、キーフレームを使用せずに、レンズフレアのアニメートや、光の強弱、色の変化等がコントロール可能です。
Stardust / Furikake
――パーティクルプラグインですね。
個人的にはTrapcode Particularなんだけど、単品販売がないのとサブスクリプションなので、初心者におすすめする候補からは除外しています。ということで、買い切りのパーティクルプラグイン Stardust / Furikake選んでみました。
――Stardustの概要をお願いします。ちなみに最近のアップデートはAppleシリコン対応や新しいバージョンのAe対応、バグフィックスくらいで少々停滞気味な印象です。
StardustはFormとParticularが混ざったツールで、3Dも扱えるけれど、プリセットが少ないかな。
――一方で、最近はFurikakeの勢いがすごい印象があります。
Furikakeは処理が速いけれどもプリセットがないので初心者には若干ハードル高いかもしれんね。
――確かに。
どちらにせよ、仕事でAfter Effectsを使うのであれば、After Effectsの標準パーティクルだとしんどいです、サードパーティーのパーティクルプラグインは必須かな。Stardust か Furikake、もしくはTrapcode Particularを所有して習得することをおすすめします。
――それでは今年のInter BEEもFurikakeのデモをお願いしますね。
笑。あと、パーティクル関連で困ったらエドワードさん @functiontales に聞いてください。
Stardust 製品詳細
Stardust は、100種類以上のプリセットを収録するノードベースの3Dパーティクルシステムです。パーティクルエフェクト作成やモーショングラフィックス制作、デザイン、合成など、様々な場面で活用できる After Effectsプラグインです。
Stardust は、バックグラウンドや炎、HUDなど8カテゴリーに渡る100種類以上のプリセットを収録するため、プリセットブラウザを起動して Add(新規追加)、もしくは Replace(既存のパーティクルと差し替え)からプリセットをロードし、そこからカスタマイズすることでパーティクル制作を効率化することができます。
Furikake 製品詳細
Furikake は軽快な動作と柔軟かつ高精度な表現を両立した After Effects 専用のパーティクルプラグインです。
最新のCPUパワーを最大限に活用する高速レンダリングエンジンとグラフィカルなユーザーインターフェースにより、直感的な操作で膨大な数のパーティクルを滑らかに処理することができます。さらにFurikake はマルチフレームレンダリング (MFR)や 被写界深度 (DOF)、32ビットカラーに対応し、高品質なビジュアル表現を実現します。
ReelSmart Motion Blur v7
――根強い人気、ReelSmart Motion Blur。爆発的に売れることはないけれども、コンスタントに売れ続けている人気のプラグインです。
結局毎回使ってます。実写でもアニメでも使う、バージョンアップの度にレンダリング速くなる。
――使いどころ、多いですよね。
パーティクルのモーションブラーも、ビルトインではなくReelSmart Motion Blur。
――ちなみに無印とPro版、どっちを使うの?
3Dを扱う時はマルチパスを出すからPro版だけれども、それ以外は無印。デフォルトのパラメーターだとモーションブラーが強くかかりすぎるから、ある程度パラメーターを下げて調整する必要があります。
――数年前にライセンス形態が変わってマルチホスト対応になりました、例えば同一PCならAEとDaVinci Resolveでも使えるのでぜひご活用ください。
※2026年10月2日にReelSmart Motion Blur v7 がリリースされました。v7ではトラッキングの基準に前後どちらのフレームにするか選択が可能になった他、モーションベクターとデプスマップを使ったブラーやPro版の前景レイヤーのアルファブーストが加わりました。
ReelSmart Motion Blur v7 製品詳細
ReelSmart Motion Blur (RSMB) は、撮影済みの実写映像や、3DCGアニメーションの動きのある部分に、自然なモーションブラーを後付けする映像アプリケーション用のプラグインです。
RSMB のアルゴリズムは、シーケンスの連続した2フレーム (最初のフレームから次のフレーム) の動きをピクセル単位のトラッキングによって解析し、その動きの計算をもとにブラーを適用します。このフレーム間のオブジェクトのモーションを自動的に検出する Proprietary Tracking Technology (プロプライエタリ トラッキング テクノロジー) によって、マスク等の処理がない映像素材でも、動画全体の中から動きがある部分だけにブラー効果を掛けることが可能になります。
Element 3D V2
――Element 3D V2!
わからないことがあれば弊社のあふたー屋さん @afuta_ya に聞いてください。
――河原さんはどんな場面で使うの?
シェイプやメッシュを曲げてエフェクトにしたり、トンネル系の表現に使う。パーティクルの素材として使ったり、基本エフェクト素材を作成するときに使うかな。3Dのレンダリングと違って、影だけ、AOだけと分けて表示できるから、品質を上げやすい。
――今からElement 3D V2を利用するユーザーにアドバイスは?
簡単に3D作れて、レンダリング速いです。わからないことがあれば弊社のあふたー屋さんに聞いてください笑。
Element 3D V2 製品詳細
3DCGソフトかと見間違う超リアルな3DCGイメージの生成とアニメーションを After Effects で作成する!そんな理想を実現させたのが、この Video Copilot 社の After Effects プラグイン、Element 3D です。
3Dオブジェクトは、シークエンスを含む OBJ と Cinema 4D ファイルの3Dモデルから作成可能。V2より、マテリアル属性を保持する MTL 付属の OBJ と C4D ファイルのテクスチャを含む自動インポートに対応しました。もちろん Illustrator などで作成したパスのシェイプや、日本語を含む After Effects のテキストレイヤーなども簡単に押し出し、3D化できます。またそれらの3Dオブジェクトを無数に複製し自在に動かす3Dパーティクルの作成も行えます。
Creators’ Picks について
Creators’ Picks は、第一線で活躍するクリエイターが、現場で使っているプラグイン&スクリプトを選んで紹介するインタビュー企画です。
次回:河原秀樹氏が選ぶプラグイン&スクリプト10選[中級者篇]|Coming soon
表現の幅を広げる10本。サブスクリプションのツールも登場します。その後、普段よく使うツール80選も公開予定です。