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映画監督中島良氏 低予算映画制作の現場 Primatte KeyerやAction Essentialsを駆使してクオリティの高い映像を短時間で

2013年2月末に公開された「幕末奇譚 SHINSEN 5 ~剣豪降臨~」は総予算一千万円以下。それでも若い俳優のフレッシュな魅力全開、アクションハイブリッドエンターテインメント時代劇に仕上がっている。映画「RISE UP」「スイッチを押す時」の新鋭映画監督、中島 良氏に低予算映画制作についてお話をしていただいた。

「SHINSEN 5」には、眉目麗しい俳優さんが多く出演されていますね。

僕は若手のイケメンと呼ばれる俳優さんの作品を多く手掛けています。一緒にお仕事をしている制作会社さんの特色です。 僕は今フリーランスですが、前は制作会社に所属していました。その時にお仕事をした方々と今でも繋がりがあるんです。

「SHINSEN 5」には、眉目麗しい俳優さんが多く出演されていますね。

僕は若手のイケメンと呼ばれる俳優さんの作品を多く手掛けています。一緒にお仕事をしている制作会社さんの特色です。 僕は今フリーランスですが、前は制作会社に所属していました。その時にお仕事をした方々と今でも繋がりがあるんです。

いつ頃から映画制作をされているのですか?

高校生の時から自主映画を撮っていました。学校のパソコンにインストールされていたウィンドウズムービーメーカーで編集していたんです。自主映画なので撮影から編集までやらなくてはいけなくて…おかげで何でも1人でやるスキルが身に付きました(笑)その後「ぴあフィルムフェスティバル」という映画祭で入選したのが22, 23歳ごろです。それから制作会社さんに声をかけていただき、今は独立して監督と映像制作をしています。
昨年はドラマのお仕事が多かったです。BSで放送された「青空の卵」「フォールンエンジェル」「カウンターの二人」という作品の監督をやりました。 映画「スイッチを押すとき」はDVD化されてレンタルショップに置いてあります。「リアル鬼ごっこ」で有名な山田悠介さんの小説を映画化した作品です。

最近気になっている映画はありますか?

ラース・フォン・トリアーという監督の作品が好きです。ラース・フォン・トリアー監督はドキュメンタリー的な撮影をしながらもデジタル処理もたくさん使ってるんですよ。最近だと「メランコリア」。有名なのはニコールキッドマンが出演している「ドッグヴィル」という作品があります。
ちょっと前のカンヌ国際映画祭で上映されて高い評価を受けた超低予算の怪獣映画「モンスターズ」という作品があります。メキシコで素材を撮って、そこに色々と合成して独特の世界観を作った映画です。タコみたいな宇宙人が襲ってきてメキシコに大きな壁が出来て分断されていて誰も助けに来ない、という内容です。低予算でも面白い作品は評価される良い例です。

Primatte Keyer や Action Essentials を映画のどのようなシーンでお使いになっていますか?

映画の冒頭に俳優さんの名前が出ます。そこではPrimatte Keyerを使っています。最初After Effectsのデフォルトで付いているキーヤーを使ったのですが、綺麗に抜ける素材と抜けない素材があって「僕はダメなんだ…」と思ってしまった。そんな時にPrimatte Keyerを知って、サイトに「抜けがいい」と書いてあって、実際に使ってみたら本当にすごく綺麗に抜けてびっくりしました。「おお!コレだ!」と喜びました(笑)

撮影期間は全部で6日間。カメラはデジタルシネマカムコーダーPMW-F3です。よく知った俳優さん達だったので短い時間でも撮りやすかった。さらに、監督である僕がVFXやCGシーンも製作するので、現場で指示を出しやすかった。現場ではっきりした指示が出せるのは有利だと思いました。このシーンのここからはデジタル処理だから撮影はこれでいい、という見極めができる。要はどこで割り切りを付けるかという判断がしやすい。

あとは、時代劇なのに森の中に電柱があったり部屋の中にエアコンのスイッチがあったり、そういうのをトラッキングで消す作業行程を分かっているので撮影もスムーズでした。

他にTwixtorをよく使います。役者さんの演技にTwixtorを適用するんです。「SHINSEN 5」では使用していませんが、昨年の吉本映画祭の時はお笑い芸人さんが主役だったのでたくさん使いました。例えば、振り返る瞬間や視線を外すタイミング。これらは人間の無意識の行動なので時間が短いんですよ。でも、Twixtorで少しだけ伸ばしてあげるとカットとして使えるようになります。あとは会話を聞いてる側は単調になりがちなので、Twixtorで時間を少しだけ伸ばしてあげる。間ができたことで感情を持って聞いているように見えるんです。90%ぐらいにすると綺麗にナチュラルに芝居が伸びるんですよ。演技をあまりやった事のないお笑いの方には特に効果的でした。いい演技だからあと数フレームほしい!そういう時に伸ばせるのは便利です。

「SHINSEN5」を撮ったことでお仕事の幅は広がりましたか?

CG制作ができる監督という事で信頼度があがりました。また似たような仕事をしてほしいとか、よりエンターテインメント向けのお話がきています。次回作はガンアクション映画です。もちろん低予算なので火花や薬莢もすべてCGで作る予定です(笑)「SHINSEN 5」は5館での上映でしたが、次回は20館で上映予定ですのでレベルアップしました。

これから低予算映画の制作は変わると思いますか?

今後は低予算映画が増えてくると思います。というか、ますます二極化していくような気がします。大手さんの制作する予算のある映画か、低予算映画か。または作家的な芸術作品も増えてくると思います。僕がデジタル世代なので低予算で映画を作ることに抵抗はありませんが、問題もあります。何でも一人でやらなくてはいけないので負担が大きくなってしまいます。また、「SHINSEN 5」は若手イケメン俳優のファンと、新撰組が好きな歴女と、その両方を狙いましたが低予算過ぎて歴女側にあまり訴求できなかった。色んな分野にファン層が細かく分かれているので全部を引っ張りこむのは難しくなってくると思います。

今後、作ってみたい作品はありますか?

CGを使ったショートコントを作ってみたいです。GDGDフェアリーズみたいな。イケメン俳優とMMDで動きを作ったキャラを組み合わせるのも楽しそう。僕にギャグセンスは無いのですが、いつかやってみたいですね。イケメン俳優のファンもニコ動ユーザも若い子が多い。「SHINSEN 5」の主題歌を中高生に人気のある歌い手、みきとPさんに依頼したんです。ボカロファンも巻き込んで、色んなファン層に向けて面白い作品を作っていきたいです。それに、僕自身は監督というよりクリエイターという面が強いと思っています。映画の世界では、制作環境やツールを改善して予算を抑える、という構造破壊を理解しない方々がまだまだ多くいらっしゃいます。でも、便利なモノは使ったほうがいい。どんどん使って映画制作の環境を変えていきたい。そしてもっと大きな世界へ出て行きたいと思っています。

中島 良(なかじま りょう) 
1983年、山梨県生まれ。07年、長編自主映画『僕たちの世界』が第29回ぴあフィルムフェスティバルにて審査員特別賞を含む3賞を受賞、同作品はバンクーバー国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭など海外の映画祭多数に招待され、08年7月のニューヨーク・アジア映画祭で最優秀新人賞を受賞。09年『RISE UP』にて商業映画デビュー。オリジナル脚本(入江信吾との共著)「静かなひと」が09年サンダンス・NHK国際映像作家賞のファイナリストに選出される。

<主な監督作品>
2009年 映画『RISE UP』/ 2011年 映画『スイッチを押すとき』 /2012年ドラマ「青空の卵」他